がんを患ったことのある人の中には、治療後一定期間、献血ができない人がいます。 これは、ドナーを保護するためでもありますが、血液を受け取る人の安全性を高めるためでもあります。
腎臓などの固形臓器の移植では、ごくまれにがんが感染することがありますが、輸血でがんが感染したという報告はありませんでした。 これを確認するために、研究者グループは、輸血後5年以内にがんを発症したドナーから輸血を受けた人を過去にさかのぼって調べました。
このことから、がんのある献血者からがんになる可能性は、あったとしても極めて低いと考えられます。
このことから、がんのある献血者からがんをもらう可能性は、あったとしても非常に小さいといえます。 ただし、免疫力が低下している輸血者の場合は、がん細胞を撃退できない可能性があります。 このようなわずかな可能性を考慮して、がんが増殖・転移していると思われる人は、他の人のために血液を提供することはできません。
次のような場合は、他の人のために献血することはできません。
- がんの治療を受けている
- がんが広がっている、または再発している
- 大人になってから白血病やリンパ腫にかかったことがある(ホジキン病を含む)
- カポジ肉腫にかかったことがある
採血センターによって、がんサバイバーの献血を許可する基準が若干異なる場合があります。 例えば、アメリカ赤十字社では、少なくとも1年前にがんの治療を受け、がんが再発していなければ、ほとんどのがん経験者の献血を認めています。
がんが転移しておらず、がんを取り除く手術以外の治療を必要としなかったドナー候補者は、手術の傷が癒えて体調が回復するまで献血を待つ必要があります。 治療中に輸血で助けられたように、他のがん患者を助けるために献血をしたいと思う人もいるでしょう。 しかし、血液センターの最も重要な目的は、血液供給の安全性を確保し、輸血を受ける人を守ることであることを忘れてはなりません。