ティルトシフトレンズやティルトシフト写真と聞くと、ミニチュア模型のようなイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。 それは、ティルトシフトレンズが長年にわたってこのスタイルの代名詞となってきたからです。 このミニチュア感はティルトシフト効果と呼ばれており、後処理で再現することも可能です。

tilt-shift lens - miniature effect

ティルトシフトレンズの特徴であるミニチュア風の表現

では、なぜティルトシフトレンズを使うのでしょうか? 通常のレンズとティルトシフトレンズを比較すると、その構造が異なることに気がつきます。 後者は、カメラやお互いに独立して物理的に動く(チルト、シフト、ローテーション)ように設計されています。 この設計上の特徴により、遠近感や被写界深度のコントロールが可能になります。

How to use a Tilt-shift Lens Creatively and for Perspective Control

左:カメラを上に向けて、全体を撮影。 右。

チルトとシフトの違い

チルト機能は、異なる平面に異なる要素のピントを合わせることができる機能です。 これにより、2つの被写体を2つの距離で撮影することができます。 通常のレンズでは、絞りを開放にして撮影する場合、前景か後景のどちらかにピントを合わせる必要があります。

シフト機能により、ハイアングルやローアングルでの撮影時に、広角レンズにありがちな歪みを最小限に抑えることができます。

ティルトシフトレンズの使用例

建築

建築物を撮影する際には、シフト機能を使うことで正しいパースペクティブを保つことができます。 通常、建物全体を画面に入れたいときは、カメラを上に傾けます。 しかし、実際にやってみると、建物が後ろに傾いているように見えることがよくあります。

How to Use the Tilt-Shift Lens Creatively and for Perspective Control

標準レンズを使って24mmで撮影した教会

この傾きは、カメラのセンサー面が建物に対して傾いているために起こります。 理想的なのは、センサーが地面に対して垂直で、まっすぐ前/中央を向いていることです。 チルトシフトレンズでは、カメラを上に向けるのではなく、レンズを「シフト」させて撮影します。 カメラはそのままで、レンズだけが物理的に移動するので、建物はまっすぐになります。

イメージです。

Church shot at 24mm with a tilt-shift lens.

Landscapes

風景写真において、ティルトシフトレンズの主な用途の一つは、広角レンズの歪みを抑えることです。 また、このレンズはパノラマ撮影にも適しています。 パノラマ写真では、撮影した写真をつなぎ合わせた後に、歪みを補正しなければならないことがあります。 この歪みをポストプロダクションで補正すると、シーンの一部が欠けてしまうことがあります。

Creative uses of tilt-shift lenses

Miniatures

皆さんがよく知っているミニチュア風の写真は、レンズのチルト機能を使ったものです。 ミニチュア効果とは、実物大の風景を、あたかもミニチュアのように見せることです。 このレンズは、被写界深度の浅い写真にボケ味を与えるために使用されます。

How to Use a Tilt-Shift Lens Creatively and for Perspective Control - miniature effect

上下のボケは、カメラがシーンからほんの数センチしか離れていないような感覚を作り出します。

このような見え方をするためには、少なくとも10フィート/3メートル(可能であればそれ以上を推奨)の高さが必要です。 高さがあることで、ミニチュアモデルを見下ろしているような視点が得られます。

How to use a Tilt-shift Lens Creatively and for Perspective Control

チルト機能により、クリエイティブにボケを加えることができます(この画像では、右側にボケがあります)。

注意:より広く撮影することで、より良い場所の感覚を得ることができます。

ポートレート

チルトシフトレンズでポートレートを撮影することは、かなりクリエイティブなことです。 基本的には、レンズからの距離が離れていても、2つの被写体(またはグループ)にピントを合わせることができます。 ご存知のように、動いている人はすぐにピンボケになってしまいます。

特典:シャインフリューの原理

シャインフリューの原理とは、被写体面のより多くの部分(手前から奥まで)にピントを合わせることで、被写界深度が無限大に近くなることを言います。

Image:

By Fil Hunter at English Wikipedia – Transferred from en.wikipedia to Commons by Jacopo…

By Fil Hunter at English Wikipedia – Transferred from en.wikipedia to Commons by Jacopo Werther.Public Domain

例えば、遠くまで続く花畑を撮影するときに、すべての花にピントを合わせたいとします。 絞りを小さくして撮影すればうまくいきますが、照明の状態によってはシャッタースピードが速くなり、シャープな花を撮るチャンスが減ってしまいます。

おわりに

ティルトシフトレンズのパースペクティブコントロールは、後処理の時間を大幅に短縮し、ほとんどのレンズの被写界深度の制限を修正するのにも最適な方法です。 また、一般的なレンズでは被写界深度の制限がありますが、ティルトシフトレンズを使えば、小絞りにしなくても奥行きのある写真が撮れます。 それでは、高い建物をまっすぐにする以外に、あなたがティルトシフトレンズを使ったことがある、あるいは使いたいと思っていることは何ですか?

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