本研究では、糖尿病性末梢神経障害に対する鍼治療の効果を調べることを目的とした。 鍼灸治療を行った42例と、偽鍼を行った21例を比較し、神経伝導速度や糖尿病性末梢神経障害に伴う様々な自覚症状への影響を観察した。 運動神経の6つの指標のうち3つ、感覚機能の2つの指標は、鍼灸治療群では15日間の治療期間中に有意な改善(p < 0.05)を示したが、偽鍼灸治療群では運動機能や感覚機能の有意な改善は見られなかった。 また、鍼灸グループでは、振動知覚閾値にグループ間の有意差(p < 0.05)およびベースラインレベルとの比較(p < 0.01)が見られた。 鍼治療は、治療後の下肢のしびれ、下肢の自発的な痛み、上肢の硬直、下肢の温度知覚の変化に対して、偽薬よりも有意に効果的であった。 今回の試験では、鍼灸治療が糖尿病性末梢神経障害の根治治療に臨床的に有用であることが示されました。