Background: ヒト化抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)モノクローナル抗体J591の2種類の放射性標識体((124)I-J591および(89)Zr-J591)の皮下LNCaPヒト前立腺がん(PCa)異種移植片における絶対的な抗体の取り込みとターンオーバーを定量的に比較するために、非線形免疫動態モデルを適用した。 このモデルを用いて、腫瘍と血漿のポジトロン・エミッション・トモグラフィー(PET)由来の時間活性曲線に対する投与量の影響を調べました。 また、ラジオイムノセラピーに最適なターゲティングインデックス(統合腫瘍活性濃度と統合血漿活性濃度の比)を予測することも試みた。

方法。 腫瘍内での抗体の内包と代謝の平衡率は、非線形伝達率を用いたコンパートメントモデリングにより、注射後96時間までのPET画像から導き出した。 さらに、非線形アプローチを用いることの妥当性を検討するために、抗原飽和から飽和までの(89)Zr-J591抗体の投与量を注射したLNCaP腫瘍保有マウスのグループを連続的に撮影し、抗体の投与量の関数として腫瘍内の投与トレーサーの時間積分濃度(単位:μM・時間)を導出した。

結果。 (124)I-J591と(89)Zr-J591を比較したところ、モデルから得られた全抗原濃度と内在化率は類似していた。 結合平衡定数(k a)は(124)Iの方が2倍高かったが、腫瘍からの(124)Iの流出速度は(89)Zrのそれに比べて10倍以上大きかった。 表面に結合した放射性物質と体内に取り込まれた放射性物質のプロットは、(124)I-J591と(89)Zr-J591の両方とも、24時間までは似たような挙動を示し、35時間後にはクリアランス速度の違いによる影響が明らかになった。

結論です。 定量的なコンパートメントモデル法を用いて、表面結合率と内在化率は、予想通り(124)I-J591と(89)Zr-J591の両形態で類似していることが示された。 腫瘍からの放射能のクリアランス率に大きな差があるのは、残留するジルコニウムと残留しないヨウ素のトラップが異なるためと考えられる。 この非線形モデルは、従来の線形モデルよりも優れていることがわかった。 この発見と、算出された腫瘍内の放射能残存時間は、患者の放射線免疫療法や他の抗体ベースの治療法にとって重要な意味を持ちます。

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